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シャッターの基礎知識 (2026.10.19 更新) 約4分で読めます

重量シャッターとは?

工場・倉庫に欠かせない大型シャッターの基礎知識

重量シャッターとは?

この記事の結論

重量シャッターは、工場・倉庫・ビルの出入口などの大きな開口部や、建物内の防火区画に使われる、厚い鋼板のスラットでできたシャッターです。メーカーの製品ではスラットの板厚が1.5〜2.3mm程度で、0.5〜1.0mm程度の軽量シャッターより厚く、幅10mを超える開口に対応する型式もあります。用途に応じて管理用・防火用・グリルなどの種類があり、防火シャッターは一定の建物で年1回の定期検査が必要です。

重量シャッターとは、工場・倉庫・ビルの出入口などの大きな開口部に設置される、厚い鋼板のスラット(羽根板)でできたシャッターです。住宅のガレージや店舗などで使われる「軽量シャッター」と比べると、スラットの板厚が厚く、開口部の幅・高さともに大きなサイズに対応できるのが特徴です。

重量シャッターは、防犯・耐風・防雨のための出入口用や、火災の延焼を防ぐ防火設備として使われます。本記事では、重量シャッターと軽量シャッターの違い、主な種類、使われる場所、当社の施工事例での実際の費用、よくあるトラブルについて解説します。シャッターの構造全般について知りたい方は、関連記事「シャッターの構造と役割」もあわせてご覧ください。

重量シャッターとは?基本的な特徴

メーカーの製品仕様では、重量シャッターのスラットは溶融亜鉛めっき鋼板製で板厚1.6mmの型式が多く、大型の型式では1.8mm・2.0mm・2.3mmのものもあります。ステンレス製のスラットを選べる型式もあり、その場合の板厚は1.5mmです。開口幅は型式によって8m・10m・15m程度まで対応し、最大で高さ14m程度まで対応する型式もあります。

一方、軽量シャッターについては、JIS(日本産業規格)の軽量シャッター構成部材の規格が「スラットの板厚が1.0mm以下」の鋼製シャッターを対象としています。メーカーの軽量シャッターでは、板厚0.5mm・0.8mm・1.0mmのスラットが使われています。

軽量シャッターと重量シャッターの主な違いは以下の通りです。

項目 軽量シャッター 重量シャッター
スラットの板厚の目安 0.5〜1.0mm程度(JISの軽量シャッター構成部材の規格は1.0mm以下が対象) 1.5〜2.3mm程度(スチール製は1.6mmの型式が多く、ステンレス製は1.5mm)
開閉方式 手動(スプリング式)または電動 電動(押しボタンスイッチ、リモコン)。防火シャッターなどにはハンドルやチェーンで巻き上げる手動式もある
対応できる開口幅の例 一般的な製品で約3〜4m、ワイドタイプで約5〜6m 型式により約8m・10m・15mまで
主な用途 住宅のガレージ、店舗、倉庫など 工場・倉庫・ビルなどの出入口(防犯・耐風・防雨)、建物内外の防火区画、大型のファサード

※寸法・板厚はメーカーの製品仕様に記載された値の範囲です。製品や設置条件によって異なります。

電動の重量シャッターの開閉速度は、メーカーのカタログで標準毎分1〜5m程度とされており、これより速く開閉する高速シャッターも用意されています。耐風性能は、メーカーの管理用シャッターの例で、標準仕様が風圧600Pa、耐風仕様が1,200Paを基準としています。

なお、軽量と重量の間の板厚のシャッターを「中量シャッター」と呼ぶことがあり、当社の施工事例でも「中量シャッター」として記載しているものがあります。ただし、メーカーの公式情報では中量シャッターの区分や板厚の定義を確認できなかったため、上の表では扱っていません。スラットの構造についてさらに詳しく知りたい方は、関連記事「シャッターのスラットとは?」をご参照ください。

重量シャッターの主な種類

管理用シャッター(スチール製)

建物の出入口の防犯や耐風・防雨、店舗の閉店時の防犯などを目的とする重量シャッターです。建築基準法の防火規定がかからない外壁の開口部などに使われます。電動式で、押しボタンスイッチで操作し、リモコンを追加できる製品もあります。海沿いなど風圧が大きい場所向けに、耐風仕様のスラットを用意している製品もあります。

防火シャッター

建築基準法で設置が必要とされる開口部に、防火設備・特定防火設備として設置される重量シャッターです。外壁の延焼のおそれのある部分や、建物内部の面積区画などの防火区画に使われます。特定防火設備の製品では、スラットの板厚は1.6mm(ステンレス製は1.5mm)です。火災時には、感知器が火災を感知すると防災盤などからの信号で自動的に閉鎖し、手動閉鎖装置の非常ボタンでも閉鎖できます。平成17年の法改正以降、閉鎖中に人や物に当たったときに停止する危害防止装置の基準が定められています。防火シャッターについて詳しくは、関連記事「防火シャッターについて」もご参照ください。

ステンレス製の重量シャッター

管理用シャッターや防火シャッターの中には、スラットやガイドレールにステンレスを選べる型式があります。ステンレスはサビに強く、耐食性に優れた材料です。ステンレス製のスラットの板厚は1.5mmです。

重量グリルシャッター

スラットの代わりにステンレスなどのパイプを組んだ大型のグリルシャッターです。閉めたままでも通風・換気ができ、閉めたときの重苦しさを抑えられるため、建物の正面(ファサード)の意匠やディスプレー効果を重視する場所に使われます。最大で幅12m・高さ8mに対応する製品もあります。車の出入りが多いマンションの駐車場向けに、開閉頻度の高い使い方に対応したグリルシャッターもあります。

当社でも同じような修理をしています(実際の施工事例)

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重量シャッターが使われる場所と用途

工場・倉庫の出入口

工場や倉庫の大きな出入口には、防犯・耐風・防雨のための管理用シャッターが使われます。開閉の回数が多い出入口や、外気をすばやく遮断したい出入口には、標準より速く開閉する高速シャッターが使われることがあります。なお、冷蔵施設などの温度管理が必要な出入口には、断熱性能を高めたオーバースライディングドアが使われることもあります。

ビル・店舗の出入口

ビルや店舗の出入口では、閉店時や夜間の防犯のために管理用シャッターが使われます。建物の正面で見た目や通風を重視する場合は、重量グリルシャッターが選ばれることもあります。

建物内の防火区画

商業施設などの建物内部では、火災の延焼を防ぐための防火区画に防火シャッターが設置されます。中柱を設けずに広い開口を区画できる大型の防火シャッターもあります。

当社の施工事例にみる重量シャッターの費用

重量シャッターの費用は、開口部の大きさ、防火仕様かどうか、交換する部品の範囲によって大きく変わります。参考として、当社が重量シャッターで実際に行った工事の費用を紹介します。

工事内容 主な交換部材 実際の費用
停止した電動重量シャッターの開閉機交換(事例を見る) 電動開閉機 250,000円
下げる際にボタンを押し続けないと最後まで降りない重量シャッターの開閉機交換(事例を見る) 開閉機 460,000円
雷で開閉できなくなった重量シャッターの開閉器交換(事例を見る) 重量シャッター開閉器 460,000円
開閉機と安全装置の一式更新(事例を見る) 開閉機、障害物検知装置(送受信機)、リモコン受信機、リモコン3枚 562,000円
落雷で動かなくなった重量シャッターの開閉器交換(事例を見る) 重量シャッター開閉器 660,000円
ボタンを押し続けないと動かない倉庫の重量電動シャッターの開閉装置と座板の交換(事例を見る) 電動開閉装置、ローラーチェーン、座板、リモコン受信機・送信機2台 730,620円
農機具でぶつけた重量シャッターの中柱交換(事例を見る) 中柱 80,000円
動かなくなった物流倉庫の防火シャッターの乱巻き修正と保守点検(事例を見る) 部材交換なし 49,500円
閉まったまま動かなくなった店舗入口の重量シャッターを新品に取り替え(事例を見る) 重量シャッター一式 2,000,000円
突風でスラットがずれた工場の防火仕様の重量電動シャッター、上部ケース以外を交換(事例を見る) 重量シャッター本体(幅4,800mm×高さ4,100mm・防火仕様)、電動開閉装置、防火設備用の障害物検知座板、急降下停止装置など 3,553,000円

※いずれも当社の施工事例の実際の費用(税込)です。同じ工事内容でも、シャッターのサイズや現場の状況によって費用は変わります。

重量シャッターでは、開閉機(モーター)の交換が多く、当社の事例では250,000円〜660,000円でした。開閉機に加えて座板や安全装置も交換すると費用が上がり、本体を取り替える場合は200万円以上かかった事例もあります。一方、部品を交換せずに調整や保守点検で直った事例もあります。

重量シャッターのよくあるトラブルと修理

開閉機(モーター)の不具合

当社の事例では、シャッターが途中で止まる、動かなくなる、ボタンを押し続けないと最後まで降りない、といった症状で開閉機を交換したケースがありました(東京都の事例、神奈川県の事例、埼玉県さいたま市岩槻区の事例)。症状だけでは開閉機と安全装置のどちらに原因があるか分からないこともあるため、現地で動作を確認して原因を調べる必要があります。

落雷による故障

落雷のあとに重量シャッターが開閉できなくなり、開閉器を交換した事例もあります(神奈川県の事例、埼玉県の事例)。この2件は、いずれも保険を使った修理でした。

スラットの変形・ずれ、部材の破損

車両や物の接触、強風によって、スラットや中柱などの部材が傷むことがあります。当社の事例では、突風でスラットがずれた防火仕様の重量シャッターで、上部ケース以外の部品を交換しました(東京都青梅市の事例)。農機具をぶつけて中柱を交換した事例もあります(埼玉県の事例)。変形したまま使い続けると、ガイドレールなどほかの部品に負担がかかるおそれがあるため、早めの点検をおすすめします。

防火シャッターの不具合と定期検査

防火シャッターは、病院・ホテル・百貨店など一定の用途・規模の建物では、建築基準法第12条に基づき、一級・二級建築士または防火設備検査員による年1回の定期検査と報告が必要です。点検で異常が見つかった場合は、早めに修理してください。当社では、ボタンを押しても動かなくなった物流倉庫の防火シャッターを、乱巻きを直して保守点検した事例があります(神奈川県横浜市港北区の事例)。修理費用全般については、関連記事「シャッター修理費用の相場」もご参照ください。

よくある質問

Q. 重量シャッターと軽量シャッターの違いは何ですか?

A. 主な違いはスラットの板厚と対応できる開口の大きさです。メーカーの製品では、重量シャッターのスラットは1.5〜2.3mm程度、軽量シャッターは0.5〜1.0mm程度です。重量シャッターは工場・倉庫・ビルの出入口や防火区画に、軽量シャッターは住宅のガレージや店舗、倉庫などに使われます。

Q. 重量シャッターの開閉機交換にはどのくらいの費用がかかりますか?

A. 当社の施工事例では、重量シャッターの開閉機(開閉器)交換は250,000円〜660,000円でした。安全装置や座板も一緒に交換した事例では562,000円・730,620円、本体の取り替えでは2,000,000円の事例があります。シャッターのサイズや交換する部品によって費用は変わります。

Q. 防火シャッターの点検は義務ですか?

A. 病院・ホテル・百貨店など一定の用途・規模の建物では、建築基準法第12条に基づき、防火シャッターなどの防火設備について、資格者による年1回の定期検査と報告が必要です。

Q. 重量シャッターの修理は自分でできますか?

A. おすすめしません。重量シャッターは大型で重く、電動の開閉機や安全装置などの専門的な部品で構成されているため、点検・修理には危険が伴います。シャッターの点検・修理に対応している業者に相談してください。

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まとめ

重量シャッターは、厚い鋼板のスラットで大きな開口部を守るシャッターで、スラットの板厚は1.5〜2.3mm程度と、0.5〜1.0mm程度の軽量シャッターより厚いのが特徴です。管理用・防火用・ステンレス製・グリルなどの種類があり、用途や設置場所に応じて選ばれます。

当社の施工事例では、開閉機の交換が250,000円〜660,000円、本体の取り替えが2,000,000円以上でした。防火シャッターは、一定の建物では年1回の定期検査が必要です。動きがおかしいと感じたら、早めに点検を受けてください。

付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語 解説
重量シャッター 工場・倉庫・ビルの出入口や防火区画などに使う、厚い鋼板のスラットのシャッター。メーカーの製品ではスラット板厚1.5〜2.3mm程度。
軽量シャッター 住宅のガレージや店舗などに使うシャッター。JISの軽量シャッター構成部材の規格はスラット板厚1.0mm以下の鋼製シャッターが対象。
スラット シャッターカーテンを構成する羽根板。
シャッターカーテン スラットの集合体。巻取りシャフトに巻き取られて昇降する。
開閉機(モーター) 電動シャッターの駆動装置。開閉器・電動開閉装置とも呼ばれる。
管理用シャッター 建物の出入口の防犯や耐風・防雨などを目的とするシャッター。
耐風圧性能 シャッターが耐えられる風圧の指標。単位はPa(パスカル)。
防火シャッター 建築基準法の防火設備・特定防火設備として設置するシャッター。
特定防火設備 加熱開始後1時間、加熱面以外の面に火炎を出さない性能をもつ防火設備。防火区画に使われる。
危害防止装置 防火シャッターが閉鎖中に人や物に当たったときに停止させる装置。
グリルシャッター パイプを組んだ格子状のシャッター。閉めたままでも通風・換気ができる。
ガイドレール シャッター両端の縦レール。スラットの走行を案内する。
防火区画 建築基準法で定められた、火災の拡大を防ぐための区画。

この記事について

執筆・編集:関東シャッターセンター編集部
運営:関東シャッターセンター(株式会社TYシステムサービス)/東京都新宿区高田馬場2-6-3
対応エリア:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県 シャッターの修理・交換・新設、点検に対応しています。
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