シャッターを開け閉めしているときに「片側だけ先に下がってくる」「上の箱の中でゴトゴト音がする」「途中で引っかかって止まる」といった症状が出たら、スラット(シャッターの板)が斜めに巻き取られる「乱巻き(巻き込み)」が起きているかもしれません。窓シャッターでもガレージや店舗のシャッターでも起こりうるトラブルです。
乱巻きは、無理に動かし続けるとスラットの変形やレールの損傷につながり、修理の範囲が広がりやすいのが特徴です。この記事では、乱巻きがどんな状態なのか、主な原因と見分け方、自分で直そうとしてはいけない理由、業者が行う修理の内容までを順に解説します。
乱巻き(巻き込み)とはどんな状態?
シャッターは、たくさんのスラットがつながったカーテン部分を、上部の巻き取り部分でぐるぐると巻き上げて収納する仕組みです。正常な状態では、スラットは左右均等にまっすぐ重なって巻かれていきます。
乱巻きとは、このスラットが左右どちらかに片寄ったり、斜めにずれたりしたまま巻き取られてしまう状態のことです。巻き取りの形がいびつになるため、開閉のたびに引っかかりやこすれが起き、シャッターボックス(上部の箱)の中でスラット同士やケースにぶつかることがあります。巻き方の乱れがひどくなると、スラットがガイドレール(左右の溝)にうまく入らなくなることもあります。
途中で止まる症状全般については、関連記事「シャッターが途中で止まる原因と対処法|電動・手動別に確認ポイントを解説」もあわせてご覧ください。
乱巻きが起きる主な原因
① 片側に力をかけた開け閉め
手動の窓シャッターで多いのが、開け閉めの力のかけ方による乱巻きです。あるメーカーの窓シャッターの取扱説明書では、座板(幅木)の端を持って開閉を続けると、スラットが斜めに巻き上がったり、こすれ音が出たりして故障や破損の原因になると注意しています。また、操作つまみをスラットに付けたまま開けると、斜めに巻き上がったりヘコミが生じたりすることがあるとも書かれています。開け閉めはシャッターの中央付近を持ち、まっすぐ動かすのが基本です。
② ガイドレールのゴミ・異物
ガイドレールの中に砂やゴミ、落ち葉などがたまると、スラットの片側だけが引っかかり、左右の動きがそろわなくなります。メーカーの取扱説明書でも、ガイドレールや水切り部の異物は開閉が重くなる、誤作動するといった不具合の原因になるとして、定期的な清掃を呼びかけています。
③ スラットやガイドレールの変形
台風の強風で物が当たった、車や自転車をぶつけたなどでスラットやガイドレールが曲がると、スラットがまっすぐ通らなくなり、乱巻きを起こしやすくなります。レールの歪みについては関連記事「シャッターのレールが歪んだ時の対処」、台風被害については関連記事「台風でシャッターが壊れた時の対処法」で詳しく解説しています。
④ 異常があるまま使い続けた
引っかかりや異音に気づいたあとも開け閉めを繰り返すと、わずかな片寄りがだんだん大きくなり、乱巻きがひどくなっていきます。電動シャッターの場合は、モーターの力で巻き続けてしまうため、気づいたときには巻き方の乱れが大きくなっていることもあります。
乱巻きかどうかの見分け方
次のような症状がある場合、乱巻きやその前ぶれが疑われます。いずれも、まずは操作を止めることが大切です。
| 症状 | 考えられる状態 | まずすること |
|---|---|---|
| 座板が左右どちらかに傾いて下りてくる | スラットが片寄って巻かれている | 操作を止め、それ以上動かさない |
| 上の箱の中でゴトゴト・ガリガリ音がする | 巻き取り部でスラットがケースなどに当たっている | 操作を止めて状態を写真に撮る |
| 開閉の途中で引っかかる・重くなる | レール内の異物や変形、巻き方の乱れ | レールに目で見える異物がないか確認 |
| スラットがレールから外れかけている | 乱巻きが進んでいる、または変形がある | 触らずに業者へ相談 |
電動シャッターで異常を感じたときは、無理に開・閉のボタンを押し続けず、停止させてください。メーカーの取扱説明書でも、ガイドレールやスラットが変形している場合はただちに使用を中止し、連絡するよう案内されています。
自分で直そうとしてはいけない理由
乱巻きを見つけると、「ボックスを開けて巻き直せば直るのでは」と考える方もいますが、次の理由からおすすめできません。
- 部品に大きな力がかかっている:ボックス内の巻き取り部分には、シャッターの重さを支える力がかかっています。不用意に分解すると、部品やスラットが急に動いてけがをするおそれがあります。
- 変形が広がる:斜めになったスラットを手で引っ張ったり押し上げたりすると、スラットが折れ曲がったり、レールを傷めたりして修理の範囲が広がります。メーカーも無理に引っ張る・押し上げる操作をしないよう注意しています。
- 電動部分の故障につながる:電動シャッターは、配線やモーターまわりの改造・分解が事故や故障の原因になるとメーカーが注意しています。
- 高い所での作業になる:シャッターボックスは窓や開口部の上にあり、はしごや脚立での作業は転落の危険があります。
自分でしてよいのは、操作を止める、窓シャッターなら内側の窓(サッシ)を閉めておく、手の届く範囲でガイドレールに見える異物がないか確認する、症状を写真や動画で残す、といった安全なことに限りましょう。異物の確認も、シャッターが止まっている状態で行い、動かしながら手を入れることは避けてください。
DIYで対応できる範囲については、関連記事「シャッター修理はDIYでできる?」でも解説しています。
業者が行う修理の内容と費用の例
業者は、ボックス内の巻き取りの状態やスラット・レールの変形の有無を確認したうえで、状態に合わせて修理を行います。主な内容は次のとおりです。
- 乱巻きの修正(巻き直し):片寄ったスラットを正しい位置に戻し、まっすぐ巻き取れるよう調整します。
- スラットの交換:乱巻きで折れや曲がりが出たスラットを交換します。
- ガイドレールの補修・交換:レールの変形が原因の場合は、補修や交換を行います。
- 開閉機の交換:電動シャッターで、駆動部分にも不具合がある場合に検討します。
当社の施工事例では、電動窓シャッターの乱巻き修正(応急対応)で44,000円でした(事例061)。また、点検の結果、電動部分の交換が必要になった場合、当社の開閉機交換の目安は工事費込み・税込で、住宅用の窓シャッターが7万円〜、住宅ガレージ・軽量シャッターが9万円〜、店舗・倉庫などの重量シャッターが18万円〜です。実際の費用はシャッターの種類や傷みの範囲によって変わるため、現地で状態を確認してからお見積りします。
相談の際は、シャッターの種類(窓用・ガレージ用・店舗用、手動か電動か)、症状が出始めた時期、写真があると状況が伝わりやすくなります。
乱巻きを防ぐための日ごろの使い方
- 開け閉めはシャッターの中央付近を持ち、ゆっくりまっすぐ動かす(端だけを持たない)
- ガイドレールや水切り部の砂・ゴミを、月1回程度を目安に柔らかいブラシや布で掃除する
- 長期間動かさないと動きが悪くなることがあるため、メーカーの案内にならい月に2〜3回は開け閉めする
- 凍結しているときは無理に動かさず、溶けてから操作する
- 引っかかりや異音に気づいたら、使い続けずに早めに点検を依頼する
日常のお手入れの方法は、関連記事「シャッターの寿命を延ばす日常メンテナンス」で詳しく紹介しています。
まとめ
乱巻き(巻き込み)は、スラットが片寄ったり斜めになったりしたまま巻き取られてしまう状態で、片側に力をかけた開け閉め、レールのゴミ、スラットやレールの変形などが主な原因です。座板の傾きやボックス内の異音、引っかかりに気づいたら、まず操作を止めましょう。
ボックス内の巻き取り部分には大きな力がかかっており、分解や無理な巻き直しはけがや故障の拡大につながります。自分でできるのは操作の停止や異物の目視確認、写真での記録までにとどめ、修理は専門業者に相談してください。早めに対応するほど、修理の範囲を小さく抑えやすくなります。
シャッターの鍵・錠前のトラブルは当社にお任せください。現地調査・お見積もりは無料、即日対応も可能です。まずはお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| スラット | シャッターのカーテン部分を構成する細長い板。何枚もつながって巻き取られます。 |
| 乱巻き(巻き込み) | スラットが巻き取り部分に均等に巻かれず、斜めや片寄った状態で巻かれてしまうこと。 |
| シャッターボックス | 巻き上げたスラットを収める上部の箱。窓シャッターでは窓の上に付いています。 |
| ガイドレール | シャッターの左右にある溝状のレール。スラットの両端が通り、上下の動きを案内します。 |
| 座板(幅木) | シャッターのいちばん下にある部材。床や窓枠に接する部分で、手掛けが付いていることもあります。 |
| 開閉機 | 電動シャッターを動かすモーターなどの駆動装置。 |