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防災・防犯・保険 約5分で読めます

防火シャッターの見分け方|設置場所・付属装置・書類で確認

一般のシャッターとの違いを知って安全に使う

防火シャッターの見分け方|設置場所・付属装置・書類で確認

ビルや店舗、マンションの共用部で、天井のあたりに収納されているシャッターを見かけることがあります。その中には、火災のときに自動で閉まって炎や煙の広がりを防ぐ「防火シャッター」が含まれています。見た目は一般のシャッターと似ていても、建築基準法で求められる役割や管理の仕方は大きく異なります。

「この建物のシャッターは防火シャッターなのか」がわからないと、前に荷物を置いてしまったり、必要な点検を見落としたりするおそれがあります。この記事では、設置場所、付属している装置、書類という3つの手がかりから、防火シャッターかどうかを見分ける方法と、防火シャッターだった場合の注意点を解説します。

防火シャッターとは?一般のシャッターとの違い

防火シャッターは、建築基準法上の「防火設備」または「特定防火設備」として使われるシャッターです。防火設備は、通常の火災の熱が加えられたときに加熱開始後20分間、加熱面以外の面に火炎を出さないこと(建築基準法施行令第109条の2)、特定防火設備は加熱開始後1時間火炎を出さないこと(同第112条第1項)が求められ、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるか、大臣の認定を受けたものに限られます。

また、防火区画に使う防火シャッターのうち、ふだん開いているものは、火災で煙が出たときや温度が急に上がったときに自動的に閉まる仕組みでなければなりません(同第112条第19項)。防犯や雨風よけが主な目的の一般のシャッターとは、ここが大きく違います。

仕組みや設置基準の全体像は、関連記事「防火シャッターとは?仕組み・設置基準・点検義務をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

見分け方① 設置されている場所

防火シャッターは、建物の中を区切る「防火区画」によく使われます。建築基準法施行令第112条では、たとえば次のような区画が定められています。

  • 面積区画:一定の建築物で延べ面積が1,500平方メートルを超えるものを、床面積の合計1,500平方メートル以内ごとに区切る(第1項)
  • 竪穴区画:地階または3階以上に居室がある建築物で、吹抜き、階段、エレベーターの昇降路、ダクトスペースなどの部分をほかの部分と区切る(第11項)
  • 用途による区画:建物の一部が特定の用途に使われる場合に、その部分とほかの部分を区切る(第18項)

そのため、商業施設や事務所ビルなどで、ふだんは天井内に収まっていて、吹抜けや階段のまわり、広いフロアの途中の通路に設けられているシャッターは、防火シャッターである可能性があります。

また、住宅でも、外壁の開口部のうち「延焼のおそれのある部分」に設ける防火設備として、窓に防火シャッター(防火シャッター雨戸)が使われることがあります。見た目は一般の窓シャッターと区別しにくいため、後述する書類での確認が大切です。

見分け方② 付属している装置

防火シャッターには、火災時に自動で閉めるための装置が付いています。防火設備の定期検査の方法を定めた国土交通省の告示(平成28年国土交通省告示第723号)では、防火シャッターについて次のような装置が検査項目に挙げられています。

装置役割・見え方
感知器(煙感知器・熱煙複合式感知器・熱感知器)天井などに付き、煙や熱を感知して閉鎖の信号を出す
温度ヒューズ装置一定の温度で作動し、シャッターを閉める
連動制御器感知器の信号を受けて閉鎖を指示する機器。スイッチや表示灯、予備電源がある
自動閉鎖装置信号を受けてシャッターを降下させる装置
手動閉鎖装置壁などに設けられ、人の操作でシャッターを閉める装置
危害防止装置座板の感知板などで、人が挟まれそうなときに停止させる仕組み

シャッターの近くの天井に感知器があり、壁に手動閉鎖装置が付いている、床に降下位置を示す表示があるといった場合は、防火シャッターの可能性が高いといえます。なお、降下位置の表示やシャッターへの危険表示は、自治体が設置を勧めている安全対策の一つです。手動閉鎖装置は、確認のために押したり操作したりしないでください。

見分け方③ 書類や管理者に確認する

外から見るだけでは判断がつかないことも多いため、確実なのは書類や関係者への確認です。

  • 建物の図面・確認申請の図書:防火区画や防火設備の位置が示されています。
  • 定期検査の報告書:建築基準法第12条第3項に基づく防火設備の定期検査の対象になっている建物なら、検査結果の書類で防火シャッターの有無や場所がわかります。
  • 建物の管理会社・オーナー:テナントや入居者の方は、まず管理者に問い合わせるのが近道です。
  • メーカー・施工会社:製品の型式や国土交通大臣の認定に関することは、製品のメーカーや施工した会社に確認できます。

点検の義務については関連記事「シャッター点検は義務なのか?」もご覧ください。

防火シャッターだった場合に注意すること

  • 前や下に物を置かない:閉鎖のじゃまになる障害物や物品がないかは、定期検査でも確認される項目です。荷物や商品棚、看板などで降下位置をふさがないようにしましょう。
  • 降下範囲で立ち止まらない:防火シャッターの閉鎖時に人が挟まれる事故が報告されており、平成17年12月1日以降、人が通行する場所に設ける防火シャッターには危害防止の仕組みが義務付けられました。それ以前に設置されたものには、この仕組みがないものも多いとされています。
  • 勝手に交換・改造しない:防火シャッターは大臣の認定や定められた構造方法に合っていることが前提です。住宅の防火シャッター雨戸でも、取り付け方法が認定の仕様と異なっていたことが建築基準法違反とされた例があります。一般のシャッターへの取り替えや部品の改造は、専門家に相談してください。
  • 異常に気づいたら管理者へ:表示灯の異常、シャッターの変形、異音などに気づいたら、自分で触らずに管理者や専門業者に連絡しましょう。

火災のときに防火シャッターが果たす役割については、関連記事「工場火災でシャッターの果たす役割」や関連記事「住宅火災でシャッターの果たす役割」でも紹介しています。

防火設備と特定防火設備の違いは、関連記事「特定防火設備とは?防火設備との違いと防火シャッターの関係」で解説しています。

まとめ

防火シャッターは、建築基準法で一定時間火炎を遮る性能が求められるシャッターで、火災時には煙や熱を感知して自動で閉まります。吹抜けや階段のまわりなど防火区画になりやすい場所にある、近くに感知器や手動閉鎖装置がある、といった点が見分ける手がかりになります。

ただし、見た目だけでは判断できないことも多いため、建物の図面や定期検査の報告書、管理会社への確認が確実です。防火シャッターだとわかったら、前に物を置かない、勝手に改造しないといった点に気をつけ、定められた点検を続けていきましょう。

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付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語 解説
防火設備 建築基準法で定める、火炎を遮る設備。防火戸やドレンチャーなどがあり、加熱開始後20分間火炎を出さない性能が求められます。
特定防火設備 防火設備のうち、加熱開始後1時間火炎を出さない性能をもつもの。
防火区画 火災が広がらないよう、建物の中を耐火性のある床・壁や防火設備で区切ること。
竪穴区画 吹抜きや階段、エレベーターの昇降路など上下につながる部分を、ほかの部分と区切る防火区画。
危害防止装置 防火シャッターが閉まるときに人が挟まれないよう、座板の感知板などで停止させる仕組み。
温度ヒューズ 一定の温度で溶けて、シャッターの閉鎖装置を作動させる部品。
連動制御器 感知器からの信号を受けて、防火シャッターを自動で閉める装置に指示を出す機器。

この記事について

執筆・編集:関東シャッターセンター編集部
運営:関東シャッターセンター(株式会社TYシステムサービス)/東京都新宿区高田馬場2-6-3
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